金沢、北陸を中心に家具販売からオフィスデザインなどを軸に、「家具を通じてひととして輝ける時間づくりをサポート」をコンセプトとする「山岸製作所」の名刺デザインを行なった。ビジュアル先行で名刺をデザインするのではなく、ミッション・ビジョン・コンセプト（以下MVC）を軸にして社員の皆さまと全4回のワークショップを行いながら、短期的なアウトプットのひとつとして名刺デザインを行なった。新しい名刺は2024年から切り替わることとなった。ワークショップは7名の社員+MiKSから2名の計9名で行い、初回では「導入と発散」と題し、既存名刺の情報や使われ方についてブレインストーミング的にフィードバックから、名刺交換で起こしたいコミュニケーションなどを考えた。第二回では「情報の整理と考察」とし、経営者目線でMVCを考えるなかで会社の目指していく方向性を探った。第三回では「視点の導入」とし、別角度からMVCを導きながら名刺のレイアウトデザインをラフスケッチで書き起こした。第四回では「整理情報のアウトプット」とし、これまでの回をまとめたものをプレゼンすることで社員の各個人がより情報を整理できるような機会を設けた。「社員ひとりひとりに経営者・デザイナー思考を持って欲しい」という山岸社長の想いを実現するため、個人への責任感を感じてもらえるよう氏名が目立つ縦型配置とした。山岸製作所が事業展開する「L'」ブランドを情報優劣することなく網羅的に配置することで、どの事業を入口にしても「山岸製作所」のソリューションへと繋がっていって欲しいという想いを込めた。用紙には黒色の柔らかいものに白インクで文字を印刷したもので、「山岸製作所 L'INTERNO」が提供している上質な家具と重ね合わせた。当初、名刺制作でご依頼いただいたがヒアリング・問診をかさねるなかで解決の本質は"デザイン思考"にあると考え、制作過程に重心を置いたワークショップを元にした名刺制作の提案を行ない、本質的に名刺というビジネスツールを考えることが出来る機会となった。